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あいでんの読書日記📖

この本を読んでくれ!と紹介する。週1で更新したい。

ジャッジメント

目には目を歯には歯を

本作品のテーマはずばり、目には目を歯には歯を、でしょう!

あらすじ

本作品では、日本に新たに「復讐法」という、まさしく、目には目を歯には歯をを字で行く法律が生まれます。復讐法に従って、被害者遺族が加害者を事件と同じやり方でいわば復讐できるのですが、その時に刑を執行する人を監視する役目の人がいます。その中の一人が主人公であり、物語や刑の執行を通して復讐法の是非、問題点について悩み、葛藤している姿が描かれています。

見どころ

親子関係、家族関係が事件と復讐法を通して変化していく様子がこの作品の大きな見どころでしょう。推理小説ですが、その題材からしてメッセージ性の強い作品だと思います。全部で5章からなり、それぞれが50ページほどなので、一晩あればすぐに読み終わってしまいます。主人公は同じ人物ですが、それぞれで独立した事件を扱っているので、テンポよく読み進められました。

感想

個人的な感想としては、たとえ正当な手続きを踏んでも、復讐って難しいかもしれないと感じました。この本に関して言えば、殺人に対して、自らの手で加害者を殺めることになりますが、普通の人にはそんなことできないだろう・・・と思いながら読んでいました。

一方で、特殊な状況、詳しく言えば精神的に追い詰められた状況に置かれた人をその外から、あたかも試合をしているプレーヤーとその観客のように、野次馬はいくらでも飛ばせるものの、本人たちにしかわかりえないものもあると思います。物語の中で、主人公も同じようなことを考えている場面があります。現実の世界でもきっと被害者にしかわからないことがあり、追い込まれるとどうなるかわからないぞ、とも思いました。

5つの章の中で私が特によかったと思ったのは2章のボーダーというものです。作品の中で唯一、刑の執行中とその後を含めて死人が出なかった話ですが、母子の絆が修正されていく様子が、絡まった靴の紐がほどけるようで、ばらばらだったパズルのピースがひとつづつ完成に近づいていくようで印象的でした。

 

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